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月別アーカイブ: 2021年7月

最後に。

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通常の洗い物、清掃、整理整頓の後、毎日最後に入念に部分掃除をします。数分間から30分位、この棚とかこの壁とか部分的に、かつピカピカにします。時間に余裕あれば数ヶ所やります。日々場所をローテーションしキレイをキープします。

ひとりで仕入れ、仕込み、営業、かたずけで大掃除のまとまった時間とれず、こうしています。結果、思わぬ副産物が。翌日朝日の中、綺麗になったことを確認し、気持ちよく1日が始められます。すると今晩、あそこ掃除しようとモチベーションもあがり毎日継続できています。

写真はダクトを囲むステンレス製の壁です。周りのいろいろが写り、鏡状です。

 

一日がかりです。その3

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前回、フォンドヴォーについて述べました。よく使用する代表的な出汁です。意図を明確に仕込みます。

徹底的にあく取りし、クリアーな仕上がりを目指します。見た目も味わいもです。そうすると濾して、煮詰めた後も旨味があり、かついやなところがないです。仔牛骨を焼くと、香ばしくパワフルなおいしい仕上がりですが、当店は焼いていません。焼かないほうがたくさんあくがでて、あく取りすることでより澄んだ出汁がとれることに気づいたためです。またソースにしたとき、ワインや香草、エシャロット、ビネガー等をより生かすのは『焼かない』フォンドヴォーのようです。あくまで私個人の好みです。各料理人にそれぞれの正解があると思います。

また常に一定の仕上がりを目指します。ベースの出汁が一定なら営業中のソース仕上げもぶれないと思います。ここをおさえておけば例えば、今日は蒸し暑いからソース少し軽めにとか、調整が容易です。フォンドヴォーは1日中ガスにかけています。その間営業をはさみ火加減だったり、場所だったり、注意です。特に最後の煮詰め具合、大事です。

早朝からスタートしても仕上げて、冷やして、冷蔵庫にいれるころは深夜です。時間、手間かかりますが、とても大事で作り続けていきたい出汁の1つです。

 

一日がかりです。その2

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前回フォンドヴォーについてお話しました。その過程でもうひとつ工程があります。それはテリーヌ作り。八街市のハーブ鶏の手羽先が材料の一部であり、とろとろに煮た後、整形します。

フォンドヴォーをとる最中、90分程で柔らかく煮え、まだ味がある状態で手羽先だけ引き上げます。骨を入念に除き、別に焼いた赤ピーマンと揚げたなす、パセリと型につめ、冷やします。ようは『煮凝り』です。

通常、フォンの材料は途中でさわりません。濁ったり、雑味がでる恐れがあります。なので浄水を注ぐ前の材料のポジショニングを考え、リスクを防ぎます。

以下、普通行わない手間をかける理由をしるします。フォンは煮だした後、濾し、残りはゴミ箱行きです。出し殻なので間違ってはいないと思います。が母が手羽先を酒、生姜、みりんや醬油で甘辛く煮付けてました。それを思い出し、美味しい状態で引き上げ、食べればいいのでは、ごみは減るし、なにより捨ててたものが生き返る、が出発点です。

フォンドヴォーのなかで長時間泳ぎ、柔らかく煮えた手羽先、美味しくないはずがありません。

食品ロス、環境負荷が大きな問題の昨今です。食に携わるものとしてできることに率先して取り組んでいきたいです。

一日がかりです。その1

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フォンドヴォー、耳にしたことあるフレーズでしょうか。フォンは『出汁』、ヴォーは『仔牛』、ドは前置詞『ナニナニの』で仔牛の出汁です。

フレンチを志す料理人、皆が仕込み、それぞれこだわっていると思います。当店も自家製です。仔牛の骨、香味野菜、鶏、卯の花牛のすじを8時間煮たのが2枚目の写真です。さらにスパイスや香草を香らせて、濾して1番出汁とします。残る骨類に再び浄水を加え、1時間煮て、濾し、2番出汁とします。1番と2番を混ぜ、適度に煮詰め完成です。肉のソースベースに使います。たまに魚にも使います。

結ではさらに3番もとっています。試したら骨由来のゼラチンは弱いですが、けっこう味があり、新しい発見でした。スパイスカレーの仕込みで活躍しています。昼、夜共に長いコースは肉料理の後、〆のご飯として少しカレーをおだししております。予想以上に好評です。

本当は4番も取りたいですが、深夜で難しく、現状ストップしてます。1日中つきっぱなしで働き続けたガス台に感謝し、終了します。